肚脳と頭脳

哲学

腹黒い人、腹が立つ、肚を据える、などお腹に関する諺はたくさんあります。

肚と腹の違いや、身体について考えていきたいと思います。

肚と腹の違い

腹とは、身体の表面的なお腹のことになります。

肚とは、身体の中心部分のことになります。

お腹がいっぴいのときに、お腹が膨れると言いますが、これは物理的に食べ物を食べたことで膨れるわけですね。

肚は身体の中心なので、腰に相当する部分まで含めて肚と表現することもあるそうです。

今回はこの肚についてさらに考察していきたいと思います。

肚脳

肚脳(ふくのう)という言葉が正式にあるのかは不明です。

YouTubeでちらっと出た言葉ですので、武道界隈ではあるのかもしれませんね。

生物というのは、受精卵から細胞分裂して育っていきますが、その際に始めに出来るのが腸になります。

腸が出来て伸びていき口と肛門が形成されていき、栄養を蓄える肝臓が出来てくるそうです。

生命の神秘ですね!

 

人間は脳がありますが、生物の中には脳が無い生物もいます。

ですので、脳というのは生物にとって必須ではないと言えます。

 

頭脳というのは、腸からの出張機関と考えることができるようです。

今では医療の発達により人間の身体についていろんなことが分かってきています。

これまでは、身体にとって頭脳が第一の脳で、腸が第二の脳とする説が有力でした。

しかし、今では腸が第一の脳で、頭脳が第二の脳ではないか?とする説があります。

 

どちらが正しいのかは不明ですが、それくらい腸(肚)というのは大切な部分だということが分かります。

腸はセロトニンといった幸福物質を出す場所でもあります。

なので幸せを感じる物質は、腸で生成されていることになります。

 

アドレナリンなどは、頭脳の方が出しています。

興奮状態の時に出ると言われている物質ですね。

痛みを感じにくくなったりする作用もあります。

ギャンブル依存症の人は、このアドレナリン中毒を言えます。

 

空手で正拳突きがありますね。

筆者はこれは、突きの練習をしているものだと思っていました。

実際に強いパンチを繰り出すために練習していると思っていました。

ですが、この正拳突きというのは肚を鍛えるためにやっている動作のようです。

片方の手を突き出す、もう片方の手を引く、という左右別々の動作を同時に行うことで体幹部(肚)を意識することになります。

 

肚を鍛えることによって、体幹部が強くなり結果的に強い突き(パンチ)が出せるようになる。というのが正拳突きの練習だという説があります。

あとは、相撲でよく見る四股の稽古ですね。

これも足腰の鍛錬と言われています。

 

足は踏み込んでいるので、なんとなくそうだろうなと思っていましたが、肚も同時に鍛えています。

そして、腰を通じて上半身と下半身を一体化する練習になります。

 

このように、古くからある鍛錬法というのは主に肚を鍛えるために行っています。

それだけ肚が大切だということになります。

肚というのは、丹田と言われたりします。

丹田というのは、中国から来た考え方のようです。

日本だと氣海と言われたりしています。

肚で感じることが出来るようになると、重心が低くなるので物事に対してあまりビビらなくなるそうです。

頭脳

頭(脳)の方に意識が行ってしまうと、悩みを抱えた状態になり頭に重心が行きます。

そのため、身動きが取りづらい、頭を支えなくてはならなくなるために身体が重たく感じてしまいます。

 

頭でっかちと言われる現象ですね。

たまにIQ200の天才といったテレビ番組がやっていますが、筆者を含め一般人だとそこまで頭脳というのは大差ないと思います。

頭脳というのは、筆者の考えだと自分の身体を第一優先で考えてくれています。

・身体を怪我したときには、その周辺を動かさないように腫れさせる

・身の危険が迫った際にアドレナリンを出して攻撃的になる(危険な要素を排除しようとする)

・自分の取り分を考える(現代で言うとお金の心配をする、相手からの好意を利用する)

といった感じなのかなと思います。

 

自分の身体を守ってくれているのが頭脳ということになりますね。

それに対して、肚脳というのは相手に対して作用する要素が強いのかなと思います。

自分が既に幸せで満たされていると、自然と周りにも優しくなります。

 

現代では頭でっかちになりがちなので、肚で感じる(考える)ことが出来るようになると、人間関係もスムーズに行きやすくなるのかなと思います。

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